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「半そでシャツはビジネスウェアではありません。」モテるビジネスウェアの着こなし講座06
前回はシャツに対する考え方とマナーをお話しました。
シャツは肌着であり、
ビジネスのシーンにおいて人前でジャケットを脱ぐのは
本来のルールではあり得ないというお話でした。
では、現在日本のクールビズでは当たり前の存在になっている、
半袖シャツはどのようにとらえられるでしょうか?
結論からいうと、ビジネスシーンにおいて
半袖シャツはあり得ない…というのが見解です。
半袖シャツのルーツはあくまでもワークシャツ(作業服)
もしくはカジュアルシャツであり、
英国発祥のビジネスウェアのドレスコードにはまずあり得ないアイテムです。
そうは言っても節電で「暑い」日本のオフィス事情。
そんな時は長袖シャツの袖を捲くることをオススメします。
半袖よりもスマートな着こなしであるだけでなく、
半袖シャツの上にジャケットを着用すると汗で汚れますが、
そこは長袖なので伸ばせばすぐに着られるのでどんな場面にも即対応できるのです。
実際のところビジネスシャツで半袖が売られているのは、
日本とアメリカぐらいのもの。
ヨーロッパの方から半袖シャツのビジネスマンは
遊んでいるようにしか見えないのです。
そう考えると半袖シャツにネクタイなんて、
とってもマヌケなスタイルですよね。
クールビズのルールで決まっているので
しかたなく着ている方もいらっしゃると思うので全否定はしませんが、
「あり得ないアイテム」でビジネスをしていることをご理解下さい。
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「ありえない着こなしが日本のスタンダードなのです。」モテるビジネスウェアの着こなし講座05
前回は、スーツの起源が
動きやすく防寒に強い洋服として作成されたものと書きました。
たしかにスーツは明らかに夏の着用には向いておらず、
日本の夏のビジネスウェアから消えつつあります。
悲しいことです。
しかし本来のルーツからすれば、
日本のクールビズという制度は相手を尊重して敬意を払うと言う
ビジネスウェアの着こなしとしてはありえない着こなしなのです。
今回は前にも書きましたが、シャツについての考え方です。
元来シャツは肌着だと書きました。
では肌着とは何なのでしょうか?
肌着とは素肌に着用し、
体から出る汗や油を吸収し、
その汚れが上着に直接付かず、
汚れないようにするのが目的です。
特に汚れやすい首筋は、
シャツの衿が上着の後ろ衿から1~1.5cmぐらい見えるように仕立てます。
首筋の汗や油をシャツで吸収するためなのです。
カフスも同様に袖口より1~1.5cm出すことで、
ジャケットの袖口が汚れないようにしているんです。
最近では上着の袖丈を長めに着る人もいらっしゃいますが、
正しいルーツを知ると必然的にNGなのがお分かりいただけるかと思います。
シャツの話題なので、もうひとつ。
日本では当たり前のように人前でジャケットを脱ぎますが、
これもまたNGなのです。
何回も言いますが、シャツは肌着です。
ビジネスや大切な場面、大切なお客様の前で
肌着一枚の姿になることは明らかにマナー違反というかそれ以前の問題です。
肌着を見せないようにジャケットを着用することが大切になります。
ただし、ジャケットを脱いでもいい例外があります。
それはベストを着用しているときです。
ベストはウエストコートとも呼ばれ、
胴体の部分を隠すことで、
ジャケットと同じ役割りを果たすので、
人前でジャケットを脱いでも失礼に当たらないのです。
こんな理由でビジネスウェアにおけるシャツは長袖が必須、
半袖シャツでビジネスをすること自体、
スーツのルーツからすれば考えられない着こなしなのです。
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「漁師さんの防寒具がスーツの起源?!」モテるビジネスウェアの着こなし講座04
前回までに、8割以上の日本人のビジネスウェアが間違った着こなしであること、
そしてそんなことがどうして起こったのか、
歴史の背景を振り返って書いてみました。
スーツは一朝一夕にできたものでないことは、
ここまで読んでいただいた方はお分かりかと思います。
では、ここからはもう少し
スーツの歴史を紐解いていきましょう。
スーツの原型は最初からビジネスウェアではなく
ごく普段着からはじまったものでした。
現在のように化学繊維がない時代に
コート(ジャケット)とトラウザーズ(パンツ)として、
寒い英国の気候に相応しい
防寒と丈夫さをあわせ持つ洋服として発生したのです。
その用途は乗馬、狩猟から普段着まで多岐にわたっていました。
デザインは現在のジャケットやパンツとよく似ていましたが、
その使用用途に応じて、
生地やディティールの仕様はそれぞれ異なっていました。
たとえば、最近、流行しているツイードの王様「ハリス・ツイード」の歴史をさかのぼると、
なんと漁師の服として出来た物であることがわかります。
今でこそレインコートなどのビニールやナイロンなどの撥水の生地が開発されていますが、
その当時はまだそのような生地は無く「ブラックフェイス」と呼ばれる、
毛足が長く極めて太くて硬い毛を持つ羊の毛を、
脱脂せずに職人の手によって織ることによって
撥水の効果を持たしたのがハリスツイード生地です。
この生地を使用して創られたジャケットが、
英国の北西に位置する「ハリス&ルイス島」の漁師達が
極寒の海に漁に出る時に着るコートだったのです。
日本に輸入されている「ハリス・ツイード」でもかなり分厚く感じますが、
ほとんどがフェザーウェイトと呼ばれ、
ハリスの中では薄いものに分類されます。
実際には、1.5倍ほどの厚さがあり、
仕立ててすぐには着用するのが困難な程、
相当な硬さを持つものです。
実際にその当時の漁師たちは、
出来上がったコートをしばらくの間軒先につるし、
風雨に晒し、適度な柔らかさになるまで放置したそうです。
また、このジャケットは漁師が親子三代に渡って着用すると言われるほど
頑丈な防寒具だったそうです。
このように見ると当初は防寒具の様相が強く、
熱が抜けにくい構造になっているため
動きやすく寒さをさえぎるためのものだったことがわかります。
実際に現在のスーツの夏生地で作ったものでも
夏の着用には適していないことがわかりますね。
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