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43:マリネッラの「お・も・て・な・し」

エスプレッソとスフォリアテッラをいただきながら、女性スタッフの話に耳を傾ける。

たしか女性スタッフの名前は三木さん。
マリネッラのオーナーの人柄に惹かれ入社したそうだ。
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おもに日本人客担当である。

さて、ここで三木さんから語られた話が我々の心を打つこととなる。

ここマリネッラのネクタイショップの営業時間はなんと朝6時からという話である。

通常、ナポリだけでなく世界中のアパレル関係の小売店の開店時間は10時〜11時が相場であり早くても9時がいいところである。
ところがこのマリネッラは朝6時の開店という…
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しかも、開店はオーナーのマリネッラ氏が自らひとりで開店するそうだ。
スタッフはその後9時頃に出勤するのである。

ではなぜ、そんなに早い時間にオーナーひとりで店を開けるのか?
その理由を三木さんが語りだす。

実はナポリは観光港であり大型船が寄港する港である。
船にも寄るが多くの船の到着の時間が朝の6時頃。
多くの観光客が一斉にナポリの街に降り立つ。

ここで、問題なのが朝6時のナポリの街には開店しているお店があまりないのである。

レストランもカフェも、土産物やさんもその殆どが開店は10時ごろである。
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せっかくナポリを訪れた観光客達が行く場所がないのは悲しい。
ということで、マリネッラ氏は毎朝6時に店を開けナポリに来た観光客を出迎え、カフェも開いていない時間にエスプレッソとスフォリアテッラを振る舞い歓迎するのである。

もちろんそうすることで商売に繋がると言ってしまえばそれまでだが、スタッフに開けさせるのではなく、オーナー自ら毎朝店を開け、ナポリに誇りを持ち、来ていただいた方々を歓迎したいという気持ちが素晴らしく、これぞ「おもてなし」の精神だと感銘を受けたのである。

マリネッラが100年続き世界に名だたるネクタイブランドになった影にはこのようなストーリーがあったのである。

そしてこの後さらなる凄い出来事が…

つづく

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