３：テイクオフ！

イタリアへの出張が決まり出発までの3ヶ月。
いろいろ万全に準備して、現地の情報を仕入れて…と考えるものの、1週間日本を離れるとなると全ての業務や打合せが前倒しで行われそれどころではない…

結局準備に取りかかれたのは出発の2日前、6月13日であった。

冬と違い、夏場の出張は持っていく衣類がかさばらず荷物が少なくて良い…といっても一週間分の着替えはそこそこの量となった。

バタバタと準備を整え、トランクに何か入れ忘れたような感覚にとらわれながら当日の朝を迎える。

12時45分の出発に合わせ9時前に自宅を出発し、同じく神戸在住のS氏をピックアップし関西国際空港へ愛車で向かう。

渋滞も無くスムーズに到着、待ち合わせ場所にはT氏が先に到着しており、その後T師匠、K氏の順番で集合。
いよいよな旅の始まりに全員が上機嫌であった。

早速、カウンターでチェックインし荷物を預け一階の銀行窓口で外貨（ユーロ）に両替をする。
日本円10万円が700ユーロほどに換金される。
一ヶ月前であれば750ユーロほどになったかと思うと少し残念である。

財布を入れ替え、セキュリティーチェックを受け、空港内の出発ロビーに入ると気分はいやがうえにも盛り上がる！

長いフライトを前にカフェで軽く打合せをし、トイレを済ませ、飛行機に乗り込む。
この飛行機に乗り込む瞬間がいつもたまらなく好きである。

乗客はほぼ満席。
座席に落着くと乗客が揃ったのか、定刻より早く機体はデッキを離れる。
いよいよ離陸。
パリ、シャルルドゴールまでの14時間の長い空の旅が始まる。

つづく