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56:帰国の朝がやってきた。

ベッドに潜り込み泥のように眠り込んでつかの間、スマートフォンのアラームで目が冷める。

深夜3時。

 

4時にはホテル前に迎えの車が来ることになっているので、重いまぶたをこじ開け、数分まどろんだあと身支度にかかる。

海外に出た際、帰国に向けての行程はかなりエネルギーとストレスを感じる時である。

 

今回は4人の仲間と一緒であるのでそんなストレスも少なく、気持ちもとても楽である。

 

4時前にホテルのフロントに同室のT氏と出て行くとすでに他の3名はトランクを持ち、眠い目をこすりつつ、準備を整えていた。

 

チェックアウトを手早く済ませると、いよいよ帰国の途につく。

狭いエレベーターに乗り込み、ホテル前に向かう。

 

そこには昨日のドライバーではない別のドライバーが、前日とはまた違うメルセデスのバンで待っていた。

 

5人分のトランクをバゲッジルームに積み込むと、流石のメルセデスでもギリギリ一杯である。

後部座席に乗り込み、スライドドアを閉めると、まだ夜も開けない真っ暗なナポリの石畳の上を走り始める。

 

昼間は慢性的に渋滞しているナポリ市街地もこの時間の交通量は当然少なく、名残り惜しさを感じる間もなくナポリ空港までもあっという間に到着する。

空港ももちろん人影はまばらである。

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↑ナポリ・カポディキーノ国際空港

 

多くの買い物をしたので、免税の手続きを免税カウンターで済ませ、書類ももらう。

預け入れの荷物もホテルにヘルスメーターがあったおかげで難なくクリア。

チェックインもスムーズに完了。

 

と、もうここまでくれば、帰国の70%は完了である。

 

空港内のカフェにてホットコーヒーと焼きたてのパンを食べながら、楽しかった7日間を振り返り談笑していると、シャルル・ド・ゴールへの出発ゲートの案内が行われる。

ゲートに向かいいよいよ搭乗。

関空に向けての長い旅がスタートするのである。

つづく

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