ゑみや洋服店

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2020-08-18

イタリアと日本が合作で生んだ究極の略礼服生地が届きました

チェルッティー社といえば、イタリアでも5本の指に入る名門の生地ブランド&メーカー。

そのチェッルッティーブランドの略礼服生地がゑみや洋服店に届きました。

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この生地のトピックはなんと言っても「日本製」であるということ。

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まず生地の耳(端)をご覧いただくと「JAPANESE ARTISAN」という文字がご覧いただける。

訳すと「日本の職人」とか「匠」とかいう感じだろうか?(⇩写真参照)

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JAPANSES ARTISAN BY LANIFICIO F.LLI CERRUTI DAL 1881

では、いったいこの生地はどの様にできて、なぜ日本製なのかを紐解いて行きたいと思う。

 

まず、このなめらかでドレープ感のきれいなこの上質な生地自体は正真正銘のイタリアのチェルッティ社が織ったもので有ることは間違いない。

まず、結論から言うとこの生地はチェルッティ社が上質な原毛から生機(キバタ:着色しない糸で織られた生地)を作成し、その生機を日本に持ってきて、日本で染め、そしてフィニッシュ(整理・仕上げ)を行った生地なのである。

最終工程を行った場所が原産国表示に表示されるので「日本製」なのである。

 

では、なぜまたそんな面倒くさいことをしているのか書いてみたいと思う。

古来から日本では黒留袖(着物)の文化があり、その生地の黒さが濃ければ濃いほど上質であるという価値観が生まれ、生地職人は濃黒に染めることを競い合った。

その技術は今でも受け継がれ、良い水にも恵まれた日本は世界一生地を黒く染める技術を持っているのである。

これは着物とは違うが略礼服などにもその価値観は根付いており、略礼服も濃黒であればあるほどよいものとされ、より黒く染める技術は略礼服に用いる、ウールファブリックにまで及んだのである。

 

ここで、わざわざイタリアの生地を染めなくても日本製の生地を染めればいいのでは?という疑問が生まれる。

確かにウールで創った生地には代わりはない。

 

世界の有名なウール生地の生産国といえば、いわずもがなイギリスとイタリアに集約される。

この2国の生地は明らかに差があり、簡単に言うとしっかり目で保守的なイギリス生地と柔らかく光沢のあるイタリア生地が特徴である(昨今ではその特徴も曖昧になってはいるが…)

この違いはいろいろな要因があるが、織り機の違いによるものもその1つである。

 

日本の毛織会社はドイツを中心に発達し、英国でよく見られる織り機がそのルーツであり、どちらかというと英国織物に近い製品が多い。

イタリアは独自に開発した織り機で織られるため英国織物とは一味違うのである。

 

独特のきれいなドレープ感があり優雅に見える生地はイタリアのお家芸なのである。

そんな生地に日本のお家芸である濃黒染めを施した生地が、今回届いたこの略礼服生地なのである。

いわゆるイタリア✕日本のいいとこ取りメイドインジャパン生地なのである。

 

1クラス上の略礼服をお求めなら、ちょっと優雅で表面もクリアなこの上質生地をおすすめいたします。

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