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洋服の聖地を巡る旅(VISIT UK 2017) Archive

雨が待ち遠しくなる傘あります (VISIT UK 2017 Vol.17)  

フォックスアンブレラ社のショールームでひとしきり製品を見せていただいたあとは、

実際にハンドメイドの英国傘を制作しているファクトリーにお邪魔し、

その製造の方法と、クラフトマンシップを体感する。

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工房は約10名強の方々が各工程を担当し、

その工程を順番にこなして行くことで一本の傘が出来上がっていく。

 

まず最初の工程は、生地の裁断から始まる。

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↑の写真ではチェックのナイロン生地を裁断しているところである。

このようにチェックの生地は柄を合わせることが大切なので、

一枚一枚裁断し、8枚で一つの傘になる。

 

ちなみに無地の生地は、8枚まとめて重ねて裁断するそうである。

 

裁断された生地は職人の腕により、8枚が縫い合わされ、

傘の丸い形になっていく。

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この工程には熟練した腕が必要だそうで

ナイロンという縫いにくい素材を、細く正確に縫う技術は誰にでもできるものではない。

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素晴らしく細かい縫い目は美しい芸術品のようである。

 

並行して別の工程では、シャフトと骨を作成している。

こちらも木製の物は一本一本手作りである。

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特に下の写真の男性は、シャフトのフックの部分を

ワイヤーを曲げ、鮮やかな手つきで作成していく。

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まるで、手品のように鮮やかなまさに技である。

 

シャフトにフックを取り付ける穴はこの下の機械で開ける。

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他にも2〜3の作業を同時にこなすスグレモノの機械であり、

100年以上も前からこの機械を修理を重ねて使用しているそうである。

これ以上使いやすい機械は未だに無いそうである。

 

できたシャフトと骨にナイロンの生地を取り付ける工程。

段々と傘らしくなってくる。

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そして、コレも手作業でナイロン生地で作った輪っかを傘の先の外側と内側に縫い付けていく。

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このように10人以上の職人の手を通して、

ハンドメイドの傘が出来上がって行くのである。

 

大量生産品とは違い、一本一本丁寧に作成されるため、

制作には手間と時間が惜しみなくかけられ、

開いても、閉じても優雅で美しい傘に仕上がるのである。

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ファクトリーで制作の現場と、そのクラフトマンシップを目の当たりにすると、

その製品の素晴らしさがよくわかり、

とても欲しくなり、思わず自分用に注文をしてしまったぐらいである(笑)

出来上がりは半年以上先だそうだが、とても楽しみである。

 

本物のファクトリーで、本物に触れられた貴重な機会であった。

つづく

FOX UMBRELLAS (VISIT UK 2017 Vol.16)  

FOX UMBRELLAS とは…

イギリス王室や日本の皇室などのロイヤルファミリー御用達の傘としても知られるフォックス・アンブレラ

1868年にトーマス・フォックスが傘屋としてロンドンに Fox Umbrellas 社を創業したところから始まる。

 

創業のおよそ12年後にトーマス・フォックスはサミュエル・ディクソンに経営権を譲渡し、

その後はディクソン家の手によって世界的に有名な傘のブランドとして発展。

 

第二次世界大戦でパラシュートの製造に携わった経験を活かし、

それまで使用していたシルクから世界で初めてナイロン生地の傘を作成したことで有名である。

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フォックスアンブレラの傘は雨を凌ぐための道具…というのは一つの役割に過ぎず、

その実用性はもちろんであるが、開いたとき、閉じたときの

どちらのときもエレガントに見えるかにこだわり製造されている。

 

そのこだわりは骨の本数にも現れ、

極細に巻ける、重すぎず、さらに開いても美しいという理由で8本骨を採用。

 

いかなるときも美しく、というストイックな英国紳士の審美眼にかなった傘。

それこそがフォックス・アンブレラが英国傘の頂点である所以なのだ。

 

前置きが大変長くなったが、UK3日目午前中は早起きをして

そんな世界でも有数の傘ブランド「フォックスアンブレラ社」を訪問し、

そのものづくりの真髄と、実際に手作りで傘を製造する現場を見学させていただくのである。

 

フォックス・アンブレラはロンドンより南へ列車で40分ほどの「EAST CROYDON」という街に

会社とファクトリーを構える企業である。

 

駅からはタクシーで10分程度。

RACを出発して約1時間で到着する。

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フォックスアンブレラ社に到着すると、

まずは2階のショールームに通していただいた。

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メンズ、レディスの様々な傘が並ぶショールーム。

とにかくしっかりと細く巻けるので、とにかく美しいのである。

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ちょっと変わった傘もあり、上の写真の下の傘は取っ手と先の部分を回すことで、

下の写真のようになる。

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このように外せば、旅行用のトランクの中に納まる長さになる。

折りたたみ傘ではなく、長傘にこだわる紳士のトラベルアンブレラである。

 

長傘ほど美しくは無いが、やはりフォックスアンブレラの傘は折りたたみ傘も美しい!

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取っ手の部分もシンプルでかさばらず、

持ち運びにも向いている。

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カバーを外すとこんな感じ。大きさも程よい。

とてもしっかり巻けるところは長傘とも共通である。

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取っ手の下にはフォックス・アンブレラのロゴマークが入る。(ちょっと写真がぶれているが…)

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このようにさしても美しい!

 

すっかりフォックス・アンブレラに惚れてしまうほどの傘である。

次のブログではこのフォックス・アンブレラの工房の話題をお届けしたいと思う。

つづく

ジェームス社長との再会(VISIT UK 2017 Vol.15)

あまりにもビッグなイベント「グッドウッドフェスティバルオブスピード」

時間の許す限り予定の時間を延長したがそれでも全ては到底見れず、

後ろ髪をひかれる思いで、会場をあとにしロンドンのRACに帰路を急ぐ。

 

この日の夕食は、ゑみや洋服店ではおなじみの生地、

150年以上の歴史を誇る英国の老舗生地マーチャント

「ハリソンズオブエジンバラ」のブランドを抱える、

リアブラウン&ダンスフォード社のCEO、

ジェームスダンスフォード社長とご一緒することになっている。

 

急ぎRACに帰り着くと、

久しぶりにお会いするジェームス社長が笑顔で出迎えてくれた。

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向かって左がジェームス社長。

日曜日ということもあり、いつもネクタイ姿のジェームス社長も

アンタイドなカジュアルでリラックスしたスタイルで対応をいただいた。

 

ちなみに今回ご一緒する夕食はRACの中のレストラン。

ドレスコードはもちろん館内共通であり、

ジャケット着用、ジーンズ、スニーカーNGである。

 

そしてレストランにはバッグの持ち込みはNGであり、

部屋に置くかまたはクロークに預けてレストランに入らなければならない。

 

鞄を一旦部屋に持ち帰り、レストランに急ぐ。

 

まずはバーカウンターに通され、各々好きなドリンクをオーダーする。

 

岸社長に通訳いただきながら、

ジェームス社長との再会を喜び、談笑をしていると、

食事の席が用意された事を告げられ、そちらに移動する。

 

今回はジェームス社長と共同代表の従兄弟とその彼女もも同席しての華やかな場となった。

 

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ちなみに、夕食でいただいたのは、大好きなラム肉のステーキ。

しっかりとした赤ワインとの相性が最高である。

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和気あいあいとした雰囲気の中ロンドン2日目の夜はふけていく。

いよいよ翌日からは今回のUK訪問の目的である、

ブリティッシュスタイルの聖地を巡る旅のスタートである。

 

まずは、フォックスアンブレラという名門の傘のファクトリーを訪れ、

午後は仕立て洋服の聖地、日本語の「背広」の語源とも言われる、

サヴィルロウの老舗名門仕立屋への訪問が予定されている。

 

早朝から散歩し、丸一日グッドウッドで歩きまわり、

そして優雅に美味しい夕食とお酒をいただいた贅沢な1日。

 

心地よい疲れの中、部屋に戻りシャワーを浴びると、

吸い込まれるように眠りにつくのであった。

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↑おちゃめなジェームス社長の「ウィッシュ」ぽいポーズ(笑)

つづく

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